2017年2月15日水曜日

宮古島便り (6)

構音障害の訓練(1)

構音障害は話す内容を頭の中にまとめることはできますが
言葉として発することができなくなった状態です

なぜ言葉として発せないか
声帯の振動音を、どのようにして、あいうえお 、に聞こえる音にしているのでしょう。

声帯は一定の振動をしているだけのリード楽器のリードに
過ぎません。楽器はリードの振動音の高低を変化させて音楽を紡ぎますが人は声帯の振動を固有の意味を持った音に変化させコミニケーションをとる手段にすることを発明したのです。
人類の素晴らしい大発明です。

声帯から出た単純な振動音を唇から出るまでに口腔内の
共鳴具合を変化させることで文字の読みを意味する音に
変化させるのです。
声帯から唇までのわずかな空間を巧みに使うことで声帯からの振動音は表音文字の一音ごとの意味を持った音になります。

私達人類は口腔内のこの仕組みを解明するに至っていません
共鳴を変化させるために数十とも百とも言われる筋肉が
関わっています。これらの筋肉を動かす指令を出しているのが脳内の言語野なのです。

一つの筋肉を動かす量はミリ単位かそれ以下です。
言語野には50音のそれぞれに対する筋肉寸法を記録した一覧表がありそれに従い各筋肉の寸法を調整して50音を
形成しているのです

一覧表は50音の一音ごとに数十もの筋肉の寸法が厳密に
区分けされ記録されています。

構音障害はこの一覧表が消滅した事態なのです

一覧表の再構築
もう一度、失われた一覧表を作らないと声帯からの振動音を
表音文字の、あいうえお、にすることはできません。
この作業に日本語ほど優れた特質を持っている言語は
世界にありません。
構音障害の訓練と表音文字の50音は切っても切れない関係を持っています。
「奇跡の復活教室」ではこの関係を利用することにより
素晴らしい成果が挙げられているのです。


訓練の詳細
訓練は難しくはありません。
重要なことは患者が50音以外の音を発しないことです。
新しく再生した脳の言語野の一覧表はすべて空白です。
いい加減な発音をするとそのデーターが書き込まれてしまいます。
正しい発音を一音ずつ発してその時の各筋肉の寸法を
書き込まないといけません。
指導者と患者は向き合いあいうえお、から教えます。
自分が発している音が相手に正しく聞こえているのか本人にはわかりずらく、指導者が正しい発音になっているか
チェックし正していかないといけません。
正しい音になったら
一音を2~3秒の長さで発音します。
2~3秒の長さでゆっくりと安定して発音することにより脳は各筋肉の寸法を正確に読み取り記録することができるのです。

早口言葉や間違いやすい言葉を羅列して言わせることは
絶対にしてはいけません。

一覧表に間違ったデーターを書き込むと修正するのが
大変です。

1 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

堀尾様
初めまして。東京在住の男性ですが、現在28歳です、昨年遺伝性の脳出血で倒れ、左の片麻痺に苦しんでいます。転職したばかり。結婚して2ヶ月という最悪のタイミングだったので悔しくてたまりません。東京金prんの脳出血に効くとされているところはほぼすべて行きました。(鍼灸や機構など。。)
特に手に関して。開く動きが全く出ません。著書も読ませていただき、ブログも拝見させていただきました。どのようにすればよいでしょうか?歩行も基本的には装具と杖を使用しなければ歩けません。
可能であれば一度東京からそちらにお伺いさせていただきたいと考えているのですが、住所や電話番号などの情報をいただけないでしょうか?時ほ本当に困っています。助けてください!!!!
よろしくお願いいたします。