2017年2月12日日曜日

宮古島便り (3)

宮古島のハイビスカスです。
昨日までの曇り空は午後から晴れて太陽の光が
暖かく包んでくれます
午後からは部屋を出て車で5分で行ける海のそばで車椅子歩行訓練を行いました。
綺麗な海が広がり心地よい光の中でちょっぴり冷たい風も
気になりません、雪国Aさんは奥さんと一緒に波の音を聞きながら訓練です。リハビリというイメージからは全く別世界です。車椅子を漕ぐ足も気持ち良さそうです。

雪国Aさんは言葉の訓練もしています。
奥さんが先生になって二人でしてもらいます。
リハビリ病院で発音に苦労している夫を手助けしようと
あいうえお、の練習をしましょうかと奥さんが言語聴覚士に
言ったところ、あいうえお、の練習はしないで下さいと
言われてしまいました、と言われます。

今多くの病院では構音障害の患者に、あいうえお、を教えません。リハビリの教育書などで50音を教えるよう書いてあるものを私は見たことがありません。

多くの本では言葉の発音を優先させ文字の読みは発音ができるようになってからでないといけませんと書いてあります。
文字と発音を同時に教えると弊害が出るとあります。
絵カードを使った指導を進めています。

執筆者はどれも名のある大学の先生方ばかりです。
この方法はアルファベット文化圏では正しいと思いますが
ここは日本です。
ひらがな文化の国です。

両方の決定的な違いは文字に対する読みが一文字一音であるかどうかです。日本は、は、へ、以外は文字に対する読みは
一音に固定されています。それに対してA、B、C、は固定されてはいなくて文字に対する音は単語ごとに違いますから
一文字の音を覚えてしまうとスペルを見たときに混乱を
生じてしまいますから文字に対する音は教えなくて言葉としての単語の発音を教えなくてはならないのです。
ABCをエービーシーと発音する知識は無いほうが良いのです。CAR・CAMP・CLASS・CARE・COMPACT のそれぞれの 、C 、の文字の発音は カキクケコ の5音に変化します。C、は か行ばかりでなく さ行にも変化します。
膨大な数のスペルに対する音を記憶しなくてはなりません。

それに比べて日本語はとてもシンプルです。いろは48文字の読みは単語によって変化することはありません。
48の文字に対する音を習得しさえすれば、どんな単語でも発することができるのです。
頭の中に、ひらがなで言葉を描きその文字通りに発音すれば
意味が通じるようになります。

わずか48の音だけです。アルファベットの文字に対する
音の複雑さからは想像もできないくらいシンプルです。

綴りと発音の関係を学ばなくても言葉を駆使することができる世界で唯一の言語です。

だからこそ日本独自の言語療法でなければならないのです。
外国から学ぶべきものなどないのです。
外国の論文の翻訳などいくらしても日本の言語療法の参考に
なるものはありません。言語療法に日本語ほど習得しやすい
言語はないでしょう。

「奇跡の復活教室」で言語で苦労するのは、リハビリ過程であいうえお、の発音を間違って覚えてしまったものの修正作業なのです。
発音の仕方もわからないのに絵カードを見て言葉を発することなどできるはずがありません。絵に描かれた事柄はわかってもどんなふうに発音していいものかわからないのです。
一音を発するのに動く筋肉はとても多く、しかも
その筋肉は音に対して誰でも動きは同じです。

一定の規則に従って音を発しています。その規則は音に対して人による誤差はありません。教える側からも教わる側からも本当に便利で素晴らしいなことです。
このことがあるからこそ「奇跡の復活教室」では目覚ましい
成果を上げることができるのです。
指導の仕方が優れているのではありません。
日本語の特質が優れているのです。日本語は文字表記と言語表現の両方で究極的に進化した言語です。
その素晴らしさの恩恵にあずかり日本に生まれたことに感謝しようではありませんか。

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