2017年1月20日金曜日

痙縮を防いで麻痺からの生還を (1)

昨日訓練教室に50歳の女性が来られました
脳出血を発症後約2年の方でした。

左片麻痺で手足が不自由です。

四点杖を使って歩くことができます

この方の症状は左足の各関節を動かすことができなく
左足は棒状で腰を引き上げながら
足を運ぶ歩き方です。
手は腕を曲げて指を握りしめながら細心の注意をしながら
の慎重な歩き方です。かなりな練習を積まれたことでしょう。

普通の脳卒中後遺症の場合の歩き方です。

なぜこんな歩き方になってしまったのでしょう

原因の一つは足首の関節を固定してしまったことと
もう一つはリハビリ早期に立位訓練を
されたことによるものだと思います

足には足首と膝そして股関節の三つの関節があります
この三つは互いに連携して動き脚運びの
運動をしていますがどれか一つを固定すると
他の二つの関節は影響され
動きに制限がかかってしまい自由に
動くことができなくなってしまいます。

その結果他二つの関節は 静因痙縮 を起こします。
脚は関節が機能できなくなり棒状になります。

早期の立位訓練では脚以外の場所にも
動因痙縮 が発生します。

動因痙縮 の発症理由のところも参照してください
脳卒中で片麻痺になった状態で立位の姿勢を
することは本人にとっては大変なことです。

他の健常者に支えられていたとしても身体中に
必死に力を入れて決死の覚悟で立っていなくては
転倒の危険から身を守れないのです。
この必死に力を入れることが 動因痙縮 
起こすことになるのです。

脚はもちろん胴体から手の先まで力をいれて
今まで経験したことのない最大の冒険に
挑戦する気分なのです。
決して大げさではありません。本人にとって
立つことは大変なことなのです。


その結果麻痺側の各部の筋肉が 動因痙縮 を
起こしてしまうのです。

そうなると胴体は傾き正しい姿勢にすることはおろか
脚の関節を動かしての歩行など出来様はずもありません。

脚の基礎訓練が完了しないうちに立ち上がることは
絶対にしてはならないのです。一生普通に歩くことを
奪ってしまうことになるのです。
歩くことは足の基礎訓練ができていればそんなに
難しいことではありませんから急がないことです。

静因痙縮 も 動因痙縮 も防ぐことが出来ますから
起こさないようにしないと取り返しのつかないことに
なります。
防ぐにはそのことについての知識だけです。
それにこのブログが参考に成れば幸いです

次回は足首関節固定の話をします。






















0 件のコメント: